ノートPCの画面を外付け画面として再利用する

古くなって不要になったノートPCの液晶画面を取り出して、単体の外付けディスプレイとして活用できるようにします。

製作するメリットとしては、古くなったPCの液晶画面をそこそこの解像度の外付けディスプレイとして再利用できるし、元々液晶画面もノートPC用に設計されているため、薄型、軽量で消費電力も比較的小さい。
等があると思います。
ただ、あくまで再利用なので、製作後、運用できる時間が余り長くない可能性がある(使用状況によるが、バックライトの寿命があるため)
低消費電力である反面、画面があまり明るくない。
古くなったものを使うので店頭販売されている最新のものと比べると応答速度やコントラスト比などで劣る。
等の点があるため、メインディスプレイの拡張としてサブで使ったり、サーバやいつもはディスプレイを繋げるまでも無いPCの保守管理時の簡易画面としての使用が妥当です。

液晶画面の接続方法について
通常のディスプレイの接続に使われる規格として、アナログRGB(D-SUB15ピンで繋ぐ場合)やDVI、HDMI(デジタル信号接続)等が挙がるかと思いますが、液晶画面そのものに送られている信号として最近主流なのはLVDS(低電圧差動信号)によるデジタル接続です。
この方式はDVIに使われる信号に近いもので、2本の信号線(D+とD−)で一本の伝送路を作る方式で、低消費電力で高速な信号の伝送を行うことが出来ます。
がディスプレイ用のものでは
R(赤)信号伝送用として1本
G(緑)信号伝送用として1本
B(青)信号伝送用として1本
タイミングを取るためのクロック信号1本
の計4本のもの(1ch)、及びそれを各2本づつに拡張した計8本の伝送路で送る方式のもの(2ch)が採用されています。(詳しくはgoogleで調べたり、データシートを探し出して参照してください。)
※DVIに近いと書きましたが、これは信号の伝送方式にLVDS技術を用いてるということであって、細かい仕様は異なるため、DVIから出るデジタル信号を直接液晶画面の接続端子に入れても映像は出せません。

今回は液晶画面への信号入力は最も一般的なアナログRGB(D-sub15ピン)接続で行いたいので、このアナログ信号をどうにかして液晶画面で扱えるLVDSデジタル信号に変換しなくてはなりません。
そこで上記の変換を行うことが出来る専用回路を搭載したiMO-LVDSを使うことにしました。
iMO-LVDSとは、aitendo@shoppingにて販売されているアナログRGB−LVDSデジタル信号変換基板で、UXGA解像度までの液晶画面をサポートしています。
iMO-LVDSには複数種類が存在し、前途の通り信号を4本の伝送路(1ch)で送るタイプと、8本の伝送路(2ch)で送るタイプがあり、その中にも6ビットで伝送するタイプと8ビットで伝送するタイプがあり、使用する液晶画面によってどれを購入するか選ばなければなりません。

今回私が使用した液晶画面は、2003年頃に買ったと思われるLaVieに使われていたIDTech社製のもの(下写真)で、4本の伝送路(1ch)6ビットのタイプでした。



従って、変換基板であるiMO-LVDSも対応したものを購入しました。
今回は変換基板周りに付けるスイッチ類の基板の作成は省くため、動作に必要な基板と配線類がセットになったものを購入しました。



下は変換基板本体です。変換基板と付属する配線類の接続方法はaitendo@shoppingから参照できます。



今回購入したセットに付いてきた変換基板と液晶画面を繋ぐケーブルの液晶側の端子は下の写真の右のものでした。
しかし、元々液晶画面を取り外した時についていたケーブルの端子は左のもので、付属のケーブルではそのまま液晶画面につなげないことが
発覚。
aitendo@shoppingでは対応するケーブルが販売されていましたが、2000円近く(送料入れると3000円近く掛かる)安価とは言えないため、ここは元々液晶画面についていたケーブルとセットに付いてきたケーブルを合体させて対応することにしました。


セットに付属してきたケーブルの液晶側の端子(上の写真の右)のピンアサインは、黒い線の出ているほうを1番とすると
1:Vdd
1:Vdd
3:GND
4:GND
5:D0-
6:D0+
7:GND
8:D1-
9:D1+
10:GND
11:D2-
12:D2+
13:GND
14:CLK-
15:CLK+
16:GND
17:NC
18:NC
19:NC
20:NC
となります。
対して、元々付いていたケーブルの端子(上の写真の左)のピンアサインは、赤い線の出ているほうを1番とすると
1:GND
2:Vdd
3:Vdd
4:Vedid
5:Reserved
6:CLKeedid
7:Dataeedid
8:D0-
9:D0+
10:GND
11:D1-
12:D1+
13:GND
14:D2-
15:D2+
16:GND
17:CLK-
18:CLK+
19:GND
20:NC(D3-)
21:NC(D3+)
22:GND
23:NC(D4-)
24:NC(D4+)
25:GND
26:NC(D5-)
27:NC(D5+)
28:GND
29:NC(CLK2-)
30:NC(CLK2+)
となります。(20ピン目以降の括弧の中の信号は8本の伝送路(2ch)を使用する液晶画面と接続する場合に使用されるものです。)
このピンアサインで、セット付属のケーブルに無く、元々付いていたケーブルにあるVedid,Reserved,CLKeedie,Dataeedie端子は無接続で
問題なく、上のピンアサインの対応を見ながらセット付属のケーブルと元々付いていたケーブルを繋ぎ合わせました。
下の写真は繋ぎ合わせた部分の写真です。
上の写真の左の端子が元々付いていたケーブルの端子ですが、何故か信号線の部分がグランドに落ちてしまっていたりした(端子が小さく、液晶画面から引き抜いた際に線と端子の圧着部分がずれてしまった可能性)ため、別の液晶画面で同じ端子、同じピンアサインを用いていたもののケーブルを用いて繋ぎ合わせています。
繋ぎ合わせた部分はとても弱くなっているので、見た目やスリムさはなくなってしまいますが、グルーガンで固定しました。
繋ぎ合わせた部分がノイズ侵入元になりにくくなるようにこの後アルミホイルで巻いてシールドっぽいものを作っておきました。



下は上の写真で使ったケーブルの液晶側の端子部分です。これが付いていた液晶画面は8本の伝送路(2ch)のものだったためその分だけ線が増えています。ただし、今回は4本ぶんの伝送路(1ch分)のみ使用しています。
水色のケーブルは1本のように見えますが、中に2本の信号線が入っています。(しかも同軸です)


小さくて見難いですが、水色の線の中に赤い線と白い線が入っていることが分ります。芯線は非常に細いです。


液晶画面と変換基板を繋ぐケーブルが無事完成したのであとは液晶画面と変換基板、配線類のケースへの組み込みを行うだけです。
今回はケースとしてファイル入れ用のケースを使うことにしました。

下は画面表面。

アナログRGBの入力端子や、電源端子の部分は結構ストレスの掛かる部分ですが、グルーガンとケースのプラスチックの相性がいいためか、結構強く付いてくれたため、これでも十分強度が出せます。



完成したら電源投入です。
無信号の時にセット付属のスイッチの付いた基板についているパイロットLEDがオレンジの後赤色になって液晶画面は消灯状態、アナログRGB入力に信号が入った場合LEDが赤から緑に変わり、液晶画面に映像が表示されれば正しく動作している状態です。
下は完成した外付け液晶ディスプレイを実際に動かしているところです。右側に小さく緑色で光っているのがパイロットLEDです。


完成後(OSDの操作)
iMO-LVDSにはOSD(オンスクリーンディスプレイ)機能が付いていて、各種設定をすることが出来ます。
(コントラストやシャープネス、色合いなど)
操作はセット付属のスイッチ基板の4つのボタンで行います(実際には5つ付いていますが、うち1つは電源ボタンなのでOSDの操作には使いません)
デフォルトではOSDで表示される言語は英語になっていますが、言語設定により、日本語に変更できます。
下写真はOSDメニュー(とりあえず色合いの中(RGBの度合いが調整できる画面)意外全部撮影)です。
写真が不明瞭なのは液晶画面をカメラで撮ったときにでるモアレが原因です。
日本語がたまに変だったりするのは仕様ですw






備考:
aitendo@shoppingにて、iMO-LVDS16は最大解像度が1024x768ということになっていますが、OS(WinXP、855GM内臓グラフィックス)からは1280x1024、1400x1050、1600x1200が選べるようになってました。
今回使った液晶画面であるN150X4-L05は1024x768ですが、それ以上の解像度を指定してもとりあえず表示されました。但し、1024x768の中に無理矢理表示させることになるので文字等が潰れて見難くなりますし1440x1050にいたってはタスクバーが画面外にいってしまって見えません。
リフレッシュレートも液晶画面では60Hzがベーシックですが、なぜか70、75、85、100Hz(1024x768の時)も選べるようになっていますし、それらを選んでも普通に表示できました。
今回使った液晶画面であるN150X4-L05は60Hzだとなぜか画面がチラついてしまって見難いものになってしまい、75Hz以上を指定すると直るという良くわかんない現象が発生してしまっていたのでこのリフレッシュレート変更対応に救われましたが・・

iMO-LVDSではアナログRGB−LVDSデジタル変換にリアルテック(俗称:蟹チップ)のRTD2023Lを用いていますが、これがかなり発熱します。チップから数センチ離れたプラスチックケースを介してでもかなりの熱を感じる程なので、安定稼動させたい人はPCメモリ用などの小さいヒートシンク(周りの電解コンデンサが邪魔で余り大きなヒートシンクは載せられない)を載せてもいいかと感じました。

使用した液晶画面であるN150X4-L05のデータシートはALLDATASHEET.COMで検索すれば見つかりますが、その他の多くの液晶画面については見つけにくいかもしれません。 aitendo@shoppingではiMO-LVDS等の自作液晶画面を作る部品を購入した人たちに対して液晶画面のデータシートを集めたページwww.datasheet.jpで各液晶画面のデータシートを見るためのアカウントを発行してくれたりするので利用すると良いでしょう。


とりあえずケースに入れたし、上手く動いてくれたっぽいので今回は終了です。
サブディスプレイとして色々活用できそうです。
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