秋月のUSBオーディオモジュール(TA1101B+UAC3552A)を改造する

最近秋月で販売され始めたUSBオーディオモジュールの使用方法とチップの機能を100%活用(?)する方法を改造しながら考えてみました。


チップの構成について
このモジュールは主に2つのチップで構成されています。一つはUSBコントローラ兼DAC+HPAのUAC3552A(Micronas製)
もう一つは10W 自称T級アンプ(wのTA1011B(Tripath製)です。
UAC3552AはIISなどの外部DAC向けや、SPDIF等ののディジタル出力を持っておらず、TA1011Bとの接続はDACを通してアナログで行われています。TA1011Bもアナログ入力専門で、ディジタル入力は出来ません。
※T級アンプとはAB級+終段出力D級の画期的なアンプだそうです。

※TA1011Bは12Vが必要ですが、基盤中にはLTC1735CSを用いたステップアップコンバータが載っています。よってこれを使って5Vから必要な12Vを生成しているものとおもわれます。発生するノイズは基盤中の固体電解コンデンサ(SANYO製のSVPシリーズ150μF)で吸収させてるようです。

※基盤自体はどうやらAppleコンピュータの流れ物みたいです。どういう経路でこんな基盤を売れるほど手に入れたんだか・・

改造の手順

まずはUSBでPCに認識させるための改造をします。
但し、この手順は秋月で購入した時に付いてくる簡易マニュアル(?)に載っているためそれを見ながら半田付けしてください。(ここでは割愛)

上の作業だけでもUSBデバイスとしてPCからは認識され、正しくサウンドカードとしての役を果たすと思います。しかしインストール中にUSB複合デバイスとして認識されることに疑問を感じた人もいると思います。UAC3552Aには何か他の機能も有るのではないだろうか?とそこで考えた人は好奇心のある人の一人です。
とりあえずUAC3552Aのデータシート(英語)を見てみると、幾つか使われていない機能があることに気付く筈です。私が見つけた限りでは、

ボリュームアップ/ダウンボタン、ミュートボタン、バスブーストボタンの存在
AUX(外部入力)の出力へのミキシング機能

がありました。ほかにもまだあるかもしれませんがとりあえず今回は上記の機能を使えるように改造することにします。

機能の説明と効果
ボリュームアップダウンはボタン(押した時だけONのタイプ)で制御されます。各ボタンを押せばボリュームが上下します。制御されるボリュームは
PC上のマスタボリュームになります。尚、後に記述するAUXを有効にしている場合、AUXの音量も同時に変化します。

ミュートボタンも同様、1度押すとPC上のマスタボリュームのミュートが有効になります。もう一度押して解除になります。AUXを有効にしているとAUX入力についてもミュートされます。
以上の機能については、改造した基盤をUSBに接続せずにAUX入力した場合にも有効です(スタンドアロンで利用できます。)

バスブーストは〜100HZくらいを基準に低音を強調します。ハードウェアイコライザの機能の一部を使っているようで、特にドライバをインストールしたりする必要も無く、ハードが認識されていればいつでも使えます。ミュートと同様に一回押すと有効、もう一回押すと解除になります。
この機能については、PCからの音(USB経由での信号)にしか有効でなく、スタンドアロン動作もできません。

AUXENは外部入力をDAC通過後のPCからの音にミキシングするかしないかの選択が出来ます。入力を5V(High)レベルにすると有効となり、GND(Low)レベルにすることで無効にできます。トグルスイッチ等でで切り替えるのがお勧め。AUXENを有効にしてPC上で音楽を流しながらAUXから音を入れた場合、AUXの音とPC上の音が混ざって聞こえます。この機能はスタンドアロン動作できます。

その他の機能:
UAC3552Aには自称パワフル(?)なDSPが入っているようで、内部のプログラムを書き換えることによってハードウェアイコライザが使えたり、オーバーサンプリング機能が使えたりするようですが、書き換えプログラムが無い上にそもそもこのUAC3552A自体が本家サイトから抹消されているため使うことができません。美味しそうな機能なのに・・残念ですね。


下の回路図は上記の機能を使えるようにするために必要な回路の組み方を示したものです。
ちなみに
GPIO0はボリュームアップ(ピンは14番目)
GPIO1はボリュームダウン(ピンは15番目)
GPIO2はミュート(ピンは16番目)
GPIO3はバスブースト(ピンは17番目)
AUXENはHigh入力でON、LOW入力でOFFです。(ピンは33番目)
AUXL(ピンは36番目)
AUXR(ピンは37番目)

となります。

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下はUAC3552Aのピンアサインです。データシートより抜粋しました。
これを参考に半田付けしていくといいでしょう。

次に配線例を下に示します。
配線は細かい作業になります。手先が細かく動かせる人でないと半田がブリッジしてしまう可能性が高いので、傍らに半田吸取り器か吸取り線を用意しておくと良いでしょう。
灰色の線はGPIO0〜3の配線例です。


AUXEN〜AUXL,Rの配線例です。
フロン線(細いオレンジの線)はこういうときにあると便利ですよね〜
グルーガンで止めてあったり盛ってあったりしますが、盛ってあるのは基盤の足です(爆 
いやだって最適な絶縁性のある足が無かったので・・・



スイッチ部分とかは各自適当な基盤上に作成してください。

とりあえず過程が省かれたような気がしないでもないですが・・完成例を示します
適当なアルミシャーシに組んでみました。シールまだ剥がしてないんで見た目汚い・・。赤色のスイッチは電源、その横のはAUXENの制御用、すぐ下のジャックはAUXL,Rの入力用
ボタンスイッチは左からボリュームアップ、ダウン、バスブースト、ミュートです。一番右のスイッチはスピーカ出力ON/OFF用、下のジャックはラインアウトです。



とりあえず中身。配線長すぎですね。はい。基盤とか余ってた切れ端ばっか使ったので汚いです。これ見た人はもっと綺麗に作ってください(汗
スピーカ出力制御にリレーとか使っちゃってますが、これは後々ミューティング回路を作るためにあるものなので無くても構わないです。
電源部のコンデンサは低ESR品を使いました。0.47μとかの小さいフィルムコンは基盤裏につけました。私の場合、電源ソースがスイッチング電源ですが、とりあえず気になるレベルでのノイズは載っていません。
電源部とかに子産んデンサ(すぐにモッコリしちゃう奴)は使わないほうが良いです。



とりあえず機能拡張が出来たし形になるものが出来たので満足。
今回はこれくらいで終わりにします。

戻ります。